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2025.07.18

夏の風物詩【伊勢屋】のくずまんじゅう

小浜市一番町にある「御菓子処  伊勢屋」は天保元年創業。2025年には創業195年を数える和菓子屋の老舗です。伊勢屋の看板和菓子の「くずまんじゅう」を求めて、県内外から多くのファンが訪れます。

 

伊勢屋のくずまんじゅうは、名水「雲城水」と、日本三大葛のひとつに数えられる「熊川葛」を透明になるまで練って、こし餡を包んで冷たく冷やして作られます。透き通った涼しげな見た目とぷるんとした食感が特徴で、小浜市では知らない人はいない夏の涼菓です。

伊勢屋の店内に入ると、こんこんと湧き出る雲城水の水場の中に、出来立てのくずまんじゅうが涼やかに浸っています。

一番町の地下30mから自噴する雲城水は、平成の名水100選に選ばれていて、「菓子作りの原点はおいしい水でなければならない」と、伊勢屋の和菓子作りに欠かせないもの。江戸時代から変わらぬ製法で作られる熊川葛は、市場に流通していない貴重なもの。

「うちのくずまんじゅうにはレシピはないんです」と語る6代目店主の上田浩人さん。「葛の練り方や、水を入れるタイミングはその日の気温や湿度で変わる」と言い、受け継がれる口伝えの技を3年かけて習得したそう。

実は上田さんは、優秀和菓子職・伝統和菓子職のダブル認定を受けた超実力派なのです。でも、現状に満足せず、「1年前の自分を超えたい」と技を磨き続ける努力を決して止めません。取材をしながら、その姿勢が地域で長く愛される理由のひとつだと感じました。

伊勢屋にある喫茶コーナーでは、出来立てのくずまんじゅうをゆっくり味わうことができます。中のこし餡が透けて見えるほど透き通っていて、みずみずくてぷるんぷるん。本葛のやわらかいのに弾けるような食感は出来立てならでは。上品でスッキリした甘さのこし餡と、つるんとした喉ごしで何個でも食べられそうです。うだるような夏の暑さを忘れさせてくれるひとときです。

 

 

伊勢屋のくずまんじゅうは小浜の夏の風物詩。お持ち帰りは常温でOKなので、おみやげにもぴったり。

100年後も200年後もずっと残っていてほしい、地域の誇りです。